セロトニンの分泌

ノルアドレナリンやアドレナリンの過剰放出の時、そこで、セロトニンの登場ですが、セロトニンは前にも書いたとおり、不安や興奮、不快感を鎮める「リラックス」のホルモンです。喜びや快楽で興奮すると出るドパミン(快)や、恐れたり驚いたりすると出るノルアドレナリン(不快)の情報をコントロールして鎮める精神安定の効果があります。ところが、現代人は、セロトニンがどうも不足しているらしいのです。そこで、セロトニンが分泌されるものとして、ヨガや瞑想、腹式呼吸などは効果的のようですのでお勧めです。疲れを感じる時は、日頃からゆっくりと深呼吸をする癖を身に付けておくだけでも、セロトニンの分泌に役立ちます。さらに多く分泌を促すには、呼吸と共に体を動かすリズムのある運動を5分以上続けることにより、よく分泌されるようになるようです。まさしく太極拳などは理想的にセロトニンを分泌させる運動です。他にも、ウォーキング、水泳、自転車などもいいそうです。

また、食べ物からも、セロトニンの原料を取り込むことが大切です。なぜなら、セロトニンの原料は「トリプトファン」というアミノ酸の一種ですが、体の中では作れません。そこで、トリプトファンが多く含まれる、赤みの魚や肉、乳製品、大豆製品などをバランスよく取り入れます。このような食事方法は、世界中でタンパク質を摂ることとして十分補えているようです。「ビタミンB6」を多く含んでいる食事も良いとうことです。ビタミンB6を多く含んでいるものとしては、さんま、かつお、いわし、さば、鯛、にしん、まぐろなどの魚類、豚のモモ肉、小麦胚芽、玄米、大豆、にんにく、とうがらし、しょうがなどです。昔ながらの日本人の食文化をバランスよくこなしておけば、何の問題もないようですね。甘いものを食べ過ぎると、せっかく摂取したビタミンB6が減少するらしいので注意が必要です。

心地の良いことはすべてエンドルフィンが放出されるようですが、特にラベンダーなどの良い香りは即効性のリラックス作用がありセロトニンが分泌されます。そして何よりも、快適な睡眠を心がける事はセロトニンの分泌にはとても重要です。睡眠が不規則だったり、不眠に陥るとセロトニンは分泌されなくなり量が不足してしまいます。また、太陽光も大切で、沢山浴びる事でセロトニンが分泌されます。セロトニンは朝日だけでなく、明るい日中でも分泌されますので、光が多い春や夏は明るい気分になり、逆に光が少なくなる冬や梅雨などは、うつが増えるといいますので、セロトニンの分泌には光が大いに関係するようです。

 

脳内麻薬の作り方 ■エンドルフィン

エンドルフィンは脳内麻薬と呼ばれており、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用があります。そして、脳を活性化し、精神的ストレスの解消に効果があり、免疫細胞の防御反応を強化する作用もあります。

このようなエンドルフィンは正常に放出させることは、とても人生にとって大切なことです。どのようにすれば放出するのでしょうか?

エンドルフィンは高カロリーの食事をとることでも多く分泌されることがわかっています。ラーメンやフライなどの油もの。高カロリーの油脂を多く含む食べ物、ハンバーガーなどはそうでしょうが、ほどほどにしないと内臓に負担をかけて、逆作用になります。逆作用になってしまうと、結果的にはエンドルフィンの効果は相殺されてしまいます。

それよりも、楽しいという感覚が最もエンドルフィンを発生させるということがわかっていますので、楽しいことでも特に本能に関係する、食べること(食欲)、寝ること(睡眠欲)、勝つこと(生存欲)、性行為(性欲)、人に好かれること(集団欲)などの本能が満足すると最も分泌され、極まると歓喜のような状態になるほどです。楽しく生きる為には、如何にエンドルフィンを放出しつづけるかという事が大切になるのですから、体や脳を健康に保ち生理バランスを正常な状態を保っておき、本能に導かれながら、何でも楽しんでいると、エンドルフィンが分泌され、楽しくなり、それがいつまでも転がるように楽しい人生が持続していくということになるのです。

しかし、このようなエンドルフィンにも、本能に導かれた欲望による放出には限界があります。なぜなら、性欲、食欲といった欲望を満たせば、もちろんエンドルフィンが放出されるのですが、満腹になれば食欲はなくなります。寝ることも、勝つことも、性行為も、人に好かれることもそうです。その目的が満たされれば、それで放出は終わり、今度はそれを失う不安が出てくると、悪性物質のアドレナリンなどが放出しはじめます。脳の機構上で見ても、物理的欲求を満たす為のエンドルフィンには、それを押さえようとする抑制物質が脳内で放出され、永遠には続かないような仕組みとなっているのです。

ところが、精神性の高い欲求を実現している際には、エンドルフィンは抑制されずに放出されつづけるらしいのです。精神性の高い欲求とは一体何なのでしょうか?それは、見返りのない対象のない欲求のことです。食欲は食べ物を必要とします。性欲は性を必要とします。睡眠は身体を休めること、勝つことは負ける相手が、好かれるには好いてくれる相手が必要です。このような場合には、エンドルフィンの放出を抑制するように物質がでます。ところが、相手がどうであれ、周りがどうであれ、自分自身が全てを受け入れて完結できるような欲望は、ただ愛するという欲求です。だれかを愛するというのではなく、「愛する」という「受け入れる心」をただ純粋に高めていくような精神的な欲求は、エンドルフィンの放出をいつまでも持続させるといわれています。これは、純粋欲といわれています。

また、人生の中での自己を高めるための目的を見つけたり、それに前向きに取り組むことで、自らが高まっていく、自己実現を実践しつづけている状態などの、精神レベルでの欲求を満足させることが重要だといわれています。

そして、エンドルフィンに相対する物質である、ノルアドレナリンなどを適量に抑制するためには、積極的で前向きに思考することや、適切な時間や量、内容などを満たした食事をして、自然な健康を心がけ実行する事で、継続的なバランスの良い状態を保つ事ができるといわれています。また、性行為の際も多量に分泌され、その上、愛情が伴っていると、セロトニンという物質があいまって放出され、エンドルフィンの免疫効果だけではなく、体内に発生した毒素を緩和したり、リラックス効果、そして精神的な幸福感がより増幅するのです。

又、40度以上の熱い湯に入るとエンドルフィンが分泌されたり、マラソンランナーがエンドルフィンによりランナーズハイがあるのは、身体の疲れや痛みや熱さなどからそれを軽減しようとして緊急避難としてその刺激が脳に伝わり、エンドルフィンが分泌されるのです。その前にアドレナリンやノルアドレナリンなどの毒性物質がでるので、それを緩和する働きによるものですから、結果的には相殺されていますから、一時的なものになります。逆に身体には良くないそうです。

そのような状態にあるときは、脳波によって確かめることができます。実験によるとエンドルフィンが放出されている状態は一般にα波という脳波が出ています。α波が出ていることからエンドルフィンがでているということが分かるらしいのです。アルファ波というのはリラックスしている状態の脳波であり、アルファ波がでるからリラックスするのではありません。脳内物質により、リラックス状態であるためアルファ波がでます。

そこで、α波がでるようなことをしているときには、エンドルフィンなどの身体にとても良いホルモンが出ているということから、好きな音楽や感動的な旋律のあるクラシック音楽、オルゴールなどの旋律の美しい曲を聞いたり、小川のせせらぎや木々のふれあう音などを耳にしたり、海や紅葉といったキレイな風景を見た時や、夢中になり大好きなおいしいモノを食べた時、マッサージなどをされている時、風が心地いい時、花やアロマのいい香りを嗅いだ時などです。積極的な行為として、一つのことに集中しているときや、瞑想などをしているときなども放出されます。瞑想がうまくできるようになると安定したアルファ波が出続けています。一時的ですが、このような状態になるためには、目を閉じ安静にしリラックスしているだけでも十分だそうです。仕事の合間や、車の運転などの神経が疲れたときには、少し目を閉じてリラックスするだけでも、エンドルフィンがでて、心身のメンテナンスをしてくれるそうです。

このように、視覚・味覚・聴覚・触覚・嗅覚、いわゆる「五感」という入り口を使って脳に刺激を与えることで、脳内麻薬や物質は放出されるのです。この脳に刺激を伝える入り口や、関所である経穴、通り道である経絡などが、スムーズに通りやすい正常な状態で有るとき、その五感は素直に生き生きとして、エンドルフィンも多く放出されます。

アルファ波がでている脳の状態は、勉強・仕事・スポーツなどで集中力を持続させることができ、いざという時、持てる力を充分に発揮できるといわれています。又、何事にも粘り強く取り組め、ストレスや、睡眠不足を軽減し 、創造的な仕事や趣味で自由なひらめきや発想が生まれ、短時間に暗記学習を行うことができるなどといわれています。又、人間の健康に重要な、興奮状態である自律神経を正常な状態に促すなど多くの効果もあります。

 

 

頭推按を施してきました。

王流楊式太極拳の2008年ブログからの転載です。

自分の心の持ち様は表面的な意識だけでは計り知れません。

テレビに登場しバイタリティ溢れ、しっかりしたコメントをされている人、大きな会社を素晴らしい能力でリーダーシップをとっている人、どこから見ても心の持ちようは心配がないようですが・・・

二人とも、無理をしているようなので、以前太極拳を勧めたのですが、忙しすぎてなかなか出来ないと言うことなので、しばらく様子を見ていました。

案の定、男性更年期障害のような症状が出ると言うことでした。

二人は友人同士でしたので、内科、循環器、科、心療内科などの医者にも相談したらしいのですが、いつもどおりの要領しか得なかったので、とうとう私に相談しようと言うことになったらしいのです。

私は、まず硬い体と体中の経絡・神経などをほぐすために、簡単に甩手を10分位していただきました。

その後、一人は別室で待たせ、一人一人いつものように(いつものようにといっても3年ぶりぐらいですが)頭推按という頭部への功術を施しながら、色々なことを話しました。

頭推按では経穴の緊張や緩和で、その人の心身や深層心理などの状態が分かります。

それに合わせて、カウンセリングのように話をしながら、頭部や顔面の経絡と経穴を両手の五指で太極拳をやっているように、気を計りながら押し流して動かします。すべてが繋がり始めます。

いつもそうですが、二人に限らず、終わった後は、多かれ少なからずですが、世界が変わったと言います。 体は雲の上にいるようで軽くなり、緑や空の色があざやかになり、なにか眠くなったようなゆったりしたような感覚になると言います。  そのまま、毎日を過ごせばいいと言いましたが、彼らはたぶんまた元に戻るでしょう。

再度瞑想太極拳を勧めておきました。

頭推按をした後、中には号泣する人もいます。テレビのニュースでの政界がらみの大きな事件で逮捕され強ぶっていた人も泣きます。

中には寝てしまう人。完全に不安が無くなってしまった人は、まれですが、相手が女性の場合は、これ以上書けないことも起こります。仕方がないことです。完全に受容した状態になっているからです。女性だけとは限りません。男性の場合は精神的なものですが。

彼らも不安の根にある緊張は半分くらいとれたので、5回くらい続ければもしかしたら、行くところまで行けるかもと言ったのですが、翌日にはとても体が見違えるように調子が良く、気分も最高だということで、感謝されて、その後はまた調子が悪くなったら頼むと言われました。次からは、私にとっての優先順位は下がります。本気で生きる意味を考えたい人が優先です。

頭推按をやっていくと滞っていた緊張のような不安のこりが少しずつ溶けていきます。

その時に考えることは、過去の出来事も不安の反対側にある温かい感覚で再経験したように考えるようになり、新たな認識を再創造でき、未来のまだ起こっていないことへの愚かな不安も希望に溢れます。

カウンセリング理論でもそうですが、不安への受容があって、今度は自分への受容が始まり、その後に問題解決のための解釈が始まり、問題が解決していくと同時に、あらゆる事が、その解決した理解で驚くように好転し、一挙に再創造に向かいます。

頭推按は、その不安によって滞った経穴や経絡から緊張をほぐし、気の流れに呼び水を起こすことのフィードバックです。

感受性を高め、ゆっくりと体に流れる気(エネルギーの流れ)を感じ取りながら、その流れの滞りを、経絡という川の流れに沿いながらゆるやかに流していくことが大切です。その行き先は深層に有る不安の根です。そこに水が流れ込むことで、不安は育ち飽和して愛に転化します。

この感覚を感じ取りながらやるのです。

私は頭推按を施した後、とても気持ちが良く、それでお金がもらえるなんて、楽しい限りですが、頭推按をやったって、その場だけであれば何の意味もありません。

毎日太極拳をやったり、酒たばこをやめ、規則正しい生活、自立した健康維持、少しは自分を内観して、弁証して、再創造する。

心身の新陳代謝と、存在の新陳代謝です。

とても大事です。

ちゃんと言っておきましたが。

愛に飢えている自分を真に発見し、受け入れることが出来なければ、頭推按もその場しのぎです。

頭推按のお陰で、不安がとれた分だけ、多くのことを受容して理解は出来たようですが・・・

後は彼たち次第です。

最近思うことですが、子どもの頭の経絡や経穴が気になります。

子どもは頭推按をすると、心の底から快感が有るみたいで、よだれを垂らすほどです。何回もねだられます。

子どもの頭推按で呼んでくれないかな。

とても面白いですし、終わった後の笑顔がとても好きです。一緒に同じように笑いがこみ上げてきます。

大人でもそう言う人に巡り会うのを楽しみにしています。

頭推按による未病(前病状態)の改善と病気の予防

心の病や、精神的な病、又はそれから来る身体への不調などの病前症状を、頭推按(とうすいあん)という外丹気功術にて改善します。

頭推按とは、架橋賢人の間に伝わるもので、内丹術としての太極拳(瞑想太極拳といわれる楊家古式八十五式)の補足的な技術です。後ろから両手の五指を頭と顔に当てて、経絡と経穴に対して三○分間くらい気功を施します。

人間は、ショックやストレスがあると、それが、根本的な心のこだわりなどに大きく影響するものであった時、生理的な作用と共に、神経などの電気信号の流れ道の他に、気とも言われるエネルギーの流れ道(経絡)の中継点(経穴)に関所を設け、過剰な負のエネルギーが根本的な心(深層心理)に悪影響を及ぼさないように、エネルギーをせき止めます。それが、ショックやストレスなどの後に起こる、気の滞りです。それが起こると、一挙に体からは気力が失せ、思考は停滞します。一見、心の病のように見えますが、そうではありません。しかし、そのまま放置すると、今度はエネルギーが到達しない、脳や身体は自衛の為、新たな生理メカニズムを構築します。例えば鬱病や解離性障害、統合失調症等です。そのようになれば、即座に医師の治療を受け、その生理機能を回復しなければなりません。

もし、病気に進行していなければ、頭推按を施せば、ショックとストレスによる、気の滞りが取れ、驚くように元の状態に戻ります。少なからず、生理機能にも問題が起こっていれば、太極拳のようにゆっくり体を動かすことで回復します。しかし、それは脳の生理的な状態とリンクするものですから、脳周辺の経絡や経穴の滞りをとってからのことであり、そこが滞っている場合は、体も正常に動きません。健康な状態の時は、体を動かしていると、必然的に脳周辺のエネルギーの循環も正常です。又異常な部分の違和感もすぐに分かります。体の気の滞りは、脳周辺がが正常であれば、意志力を使って体を動かせば、すぐに回復しますが、逆の場合は頭推按が必要です。それが、頭推按が瞑想太極拳という内丹術の補助技術たる由縁です。
すでに、鬱病や解離性障害などの病気に至っていれば、医師の治療が必要で、いくら大自然の中にいても三週間などで治療できるもので無いことは、専門家であれば誰しもが知っています。

人は何かについて大きな問題であったということを認識したとき、その問題の大きさにショックとストレスがあり、急激に経絡と経穴が緊張して閉鎖します。その時点から、思考する全ては、その人の本心ではありません。その人もなぜ、その後の不本意な考えが浮かぶかが分からないから、自己嫌悪や妄想を伴う抑鬱状態や神経衰弱に陥ります。その結果の言動が誤解され、様々な批判を受けより摩擦がストレスを招くこともあります。

頭推按によって気の滞りが取れ、それどころか、以前以上に回復した経絡と経穴により、気のエネルギーの流れが回復します。それが、頭推按の神髄です。

病気になっていない体を病院で治療するのは例えば、医者は、病気を治すものです。胃潰瘍で病院に行けば、胃潰瘍を治療してくれますが、もし、病気になっていなければ、胃潰瘍になっていないのにも拘わらず、胃潰瘍の治療を施そうとしているようなものです。それは、体には逆に悪影響であることはだれでも分かります。もし体の状態が胃潰瘍になる前の精神的な状況であれば、それは医者だからといって分かるものではありません。胃潰瘍にならないためには、ストレスや食生活に気をつけることですが、すでにその食生活とストレスに反応する経絡や経穴が自己防衛として滞っているのです。その、滞りが不調を表すのです。胃潰瘍を鬱病に置き換えて考えてもらうとよく分かりますが、鬱病の前病症状を胃潰瘍のそれに置き換えると、少し胃が気持ち悪い、本調子でないという程度です。

病気か病気でないかの判断は簡単です。

頭推按を施して、回復すれば病気でなかったということで、回復しなければ病気であり、治療が必要であるということです。