脳内麻薬の作り方 ■エンドルフィン

エンドルフィンは脳内麻薬と呼ばれており、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用があります。そして、脳を活性化し、精神的ストレスの解消に効果があり、免疫細胞の防御反応を強化する作用もあります。

このようなエンドルフィンは正常に放出させることは、とても人生にとって大切なことです。どのようにすれば放出するのでしょうか?

エンドルフィンは高カロリーの食事をとることでも多く分泌されることがわかっています。ラーメンやフライなどの油もの。高カロリーの油脂を多く含む食べ物、ハンバーガーなどはそうでしょうが、ほどほどにしないと内臓に負担をかけて、逆作用になります。逆作用になってしまうと、結果的にはエンドルフィンの効果は相殺されてしまいます。

それよりも、楽しいという感覚が最もエンドルフィンを発生させるということがわかっていますので、楽しいことでも特に本能に関係する、食べること(食欲)、寝ること(睡眠欲)、勝つこと(生存欲)、性行為(性欲)、人に好かれること(集団欲)などの本能が満足すると最も分泌され、極まると歓喜のような状態になるほどです。楽しく生きる為には、如何にエンドルフィンを放出しつづけるかという事が大切になるのですから、体や脳を健康に保ち生理バランスを正常な状態を保っておき、本能に導かれながら、何でも楽しんでいると、エンドルフィンが分泌され、楽しくなり、それがいつまでも転がるように楽しい人生が持続していくということになるのです。

しかし、このようなエンドルフィンにも、本能に導かれた欲望による放出には限界があります。なぜなら、性欲、食欲といった欲望を満たせば、もちろんエンドルフィンが放出されるのですが、満腹になれば食欲はなくなります。寝ることも、勝つことも、性行為も、人に好かれることもそうです。その目的が満たされれば、それで放出は終わり、今度はそれを失う不安が出てくると、悪性物質のアドレナリンなどが放出しはじめます。脳の機構上で見ても、物理的欲求を満たす為のエンドルフィンには、それを押さえようとする抑制物質が脳内で放出され、永遠には続かないような仕組みとなっているのです。

ところが、精神性の高い欲求を実現している際には、エンドルフィンは抑制されずに放出されつづけるらしいのです。精神性の高い欲求とは一体何なのでしょうか?それは、見返りのない対象のない欲求のことです。食欲は食べ物を必要とします。性欲は性を必要とします。睡眠は身体を休めること、勝つことは負ける相手が、好かれるには好いてくれる相手が必要です。このような場合には、エンドルフィンの放出を抑制するように物質がでます。ところが、相手がどうであれ、周りがどうであれ、自分自身が全てを受け入れて完結できるような欲望は、ただ愛するという欲求です。だれかを愛するというのではなく、「愛する」という「受け入れる心」をただ純粋に高めていくような精神的な欲求は、エンドルフィンの放出をいつまでも持続させるといわれています。これは、純粋欲といわれています。

また、人生の中での自己を高めるための目的を見つけたり、それに前向きに取り組むことで、自らが高まっていく、自己実現を実践しつづけている状態などの、精神レベルでの欲求を満足させることが重要だといわれています。

そして、エンドルフィンに相対する物質である、ノルアドレナリンなどを適量に抑制するためには、積極的で前向きに思考することや、適切な時間や量、内容などを満たした食事をして、自然な健康を心がけ実行する事で、継続的なバランスの良い状態を保つ事ができるといわれています。また、性行為の際も多量に分泌され、その上、愛情が伴っていると、セロトニンという物質があいまって放出され、エンドルフィンの免疫効果だけではなく、体内に発生した毒素を緩和したり、リラックス効果、そして精神的な幸福感がより増幅するのです。

又、40度以上の熱い湯に入るとエンドルフィンが分泌されたり、マラソンランナーがエンドルフィンによりランナーズハイがあるのは、身体の疲れや痛みや熱さなどからそれを軽減しようとして緊急避難としてその刺激が脳に伝わり、エンドルフィンが分泌されるのです。その前にアドレナリンやノルアドレナリンなどの毒性物質がでるので、それを緩和する働きによるものですから、結果的には相殺されていますから、一時的なものになります。逆に身体には良くないそうです。

そのような状態にあるときは、脳波によって確かめることができます。実験によるとエンドルフィンが放出されている状態は一般にα波という脳波が出ています。α波が出ていることからエンドルフィンがでているということが分かるらしいのです。アルファ波というのはリラックスしている状態の脳波であり、アルファ波がでるからリラックスするのではありません。脳内物質により、リラックス状態であるためアルファ波がでます。

そこで、α波がでるようなことをしているときには、エンドルフィンなどの身体にとても良いホルモンが出ているということから、好きな音楽や感動的な旋律のあるクラシック音楽、オルゴールなどの旋律の美しい曲を聞いたり、小川のせせらぎや木々のふれあう音などを耳にしたり、海や紅葉といったキレイな風景を見た時や、夢中になり大好きなおいしいモノを食べた時、マッサージなどをされている時、風が心地いい時、花やアロマのいい香りを嗅いだ時などです。積極的な行為として、一つのことに集中しているときや、瞑想などをしているときなども放出されます。瞑想がうまくできるようになると安定したアルファ波が出続けています。一時的ですが、このような状態になるためには、目を閉じ安静にしリラックスしているだけでも十分だそうです。仕事の合間や、車の運転などの神経が疲れたときには、少し目を閉じてリラックスするだけでも、エンドルフィンがでて、心身のメンテナンスをしてくれるそうです。

このように、視覚・味覚・聴覚・触覚・嗅覚、いわゆる「五感」という入り口を使って脳に刺激を与えることで、脳内麻薬や物質は放出されるのです。この脳に刺激を伝える入り口や、関所である経穴、通り道である経絡などが、スムーズに通りやすい正常な状態で有るとき、その五感は素直に生き生きとして、エンドルフィンも多く放出されます。

アルファ波がでている脳の状態は、勉強・仕事・スポーツなどで集中力を持続させることができ、いざという時、持てる力を充分に発揮できるといわれています。又、何事にも粘り強く取り組め、ストレスや、睡眠不足を軽減し 、創造的な仕事や趣味で自由なひらめきや発想が生まれ、短時間に暗記学習を行うことができるなどといわれています。又、人間の健康に重要な、興奮状態である自律神経を正常な状態に促すなど多くの効果もあります。

 

 

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